草々不一

長文で書きたくなったことを保存します。誰かに届きますように。

「当店から一億円出ました!」について

 たまに宝くじ売り場で見かけるこういった張り紙。これを掲示する意味は果たしてあるのだろうか。
 
 確かにその店であたりが出たことはなんとなく珍しい気がする。祝いたくもなるかもしれない。しかしこれは同時に「あたりが既に出てしまっているからこの店からはもう出ない気がする」といった印象を買い手に与えてしまい、購買意欲をなくしてしまうのではないか。実際には一度当たっている店舗が他の店舗よりあたりが出る確率が下がることはないだろう。それでも例えば宝くじ売り場が近くに2つあり、片方にあたりが出たという掲示があれば僕はあたりが出ていない方で買ってしまう気がする。ポケモンの一撃必殺技が二回連続で当たるはずがないと思うのと同じ感覚なのではないだろうか。こう考えると、どうしてもこの掲示を行うことは店舗側にとって不利益な気がする。
 
 ではなぜこのような貼り紙を貼るのだろうか。今回は三つの可能性を考えた。
 
 一つ目は宝くじを行っている運営側があたりが出たらそのアナウンスをしろと命じている可能性である。この場合の利点はわかりやすい。あたりが出たというアナウンスがあれば買い手側は「この宝くじはちゃんとあたりが出るのだな」と思わせることができるからである。テレビであたりの番号を放送したりニュースで賞金を受け取ったなどの報道があったりするよりも、近所やいつも購入している店舗であたりが出ればあたりが身近に感じられるためその宝くじを買う意欲自体は上がると考えられる。つまり店舗単位では多少の不利益があるかもしれないが、全体で見れば利益となる可能性は高い。
 
 二つ目は、やはりめでたいという発想からくるものである。自分の店舗からあたりが出たとしてもその人にはなんの不利益もないため、自分のところで買った人があたりを引いたとしたら純粋に嬉しいのではないかと思う(近所の人や知り合いだったら複雑な話になりそうでもあるが)。どうせ誰かがあたるならそれは自分の店で買ってくれた人であればいいなと言う気持ちが、この掲示をさせるのかもしれない。
 
 三つ目は当たったのは店の関係者である可能性だ。自分の店のくじを自分で買ったら当たったわ、自慢したいけど盗られたくないから仄めかすくらいにしておくか、ということだ。宝くじの売り手をするくらいだからきっと宝くじ自体が好きなのであろう、それで一億円当たったら自慢したくもなるものだ。
 
 まあこの中なら圧倒的に一つ目が有力であるが、自分自身宝くじのシステムもよく知らないしそもそも「当店から一億円出ました!」と掲示することで購買意欲が下がるかどうかの客観的データもないため詳しいことはわからない。だれか詳しい人教えてください。